「1日30分しか寝ない人」として注目を集めている、堀大輔さん。
30分と聞くと、「昼寝の時間ではなく、本当に1日の睡眠時間?」「そんな生活を続けられるの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
堀さんは以前からショートスリーパーとして活動してきた人物ですが、2026年9月には自身の日常を長時間見せる「一週間ライブ配信」が大きな注目を集めました。
では、堀大輔さんとは何者なのでしょうか。
そして、「1日30分睡眠」は一般的なショートスリーパーと同じように考えていいのでしょうか。
堀大輔とは何者?
堀大輔さんは、GAHAKU株式会社の代表取締役であり、一般社団法人日本ショートスリーパー育成協会の代表理事を務めている人物です。
同協会の公式プロフィールによると、1983年11月2日生まれ、兵庫県尼崎市出身。
高校卒業後には約1年間の音楽活動を経験し、その後は油絵画家、ギター製作職人、化学機械製作会社でのプラント設計など、かなり異なる分野の仕事を経験しています。
現在はショートスリーパーとして、睡眠に関する情報発信や活動を行っています。
YouTubeでは「1日30分睡眠ショートスリーパー堀大輔の日常」というチャンネルを運営。
その名前の通り、非常に短い睡眠時間で生活する日常そのものを発信しています。
なぜ今、堀大輔が話題になっている?
堀さん自身は、最近突然現れた人物ではありません。
以前からショートスリーパーとして、書籍やYouTubeなどで情報発信を続けています。
それが2026年9月になって改めて大きな注目を集めた理由の一つが、長時間のライブ配信です。
「1日30分睡眠」と聞いただけなら、実際の生活がどうなっているのかは分かりません。
ところが長時間ライブでは、その人物が何十時間にもわたってどのように生活しているのかを、視聴者自身が見ることができます。
「本当にほとんど寝ないのか?」
という疑問を持った人にとって、それ自体が非常に気になるコンテンツになったわけです。
実際、9月中旬には長時間配信が大きな注目を集め、堀さんの「1日30分睡眠」が改めて話題になりました。
堀大輔が公言する「1日30分睡眠」とは?
堀さんの大きな特徴が、「1日30分睡眠」を掲げていることです。
ただし、ここで区別しておきたいことがあります。
堀さんが30分睡眠で生活していると公言していることと、一般の人にとって30分睡眠が十分であることは別問題です。
現在の医学的な睡眠の考え方では、睡眠時間には個人差があることを認めながらも、必要な睡眠を確保することが重視されています。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人について「適正な睡眠時間には個人差がある」としたうえで、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することを推奨しています。
30分という数字は、この一般的な目安と比べても極端に短いことが分かります。
「自分もショートスリーパーかも」という人は?
堀さんの生活を見て、
「自分も普段4~5時間しか寝ていない」
「短時間睡眠でも意外と平気だから、自分もショートスリーパーなのでは?」
と思う人もいるかもしれません。
実は、科学的にも生まれつき必要な睡眠時間が短い人が存在すること自体は知られています。
研究では「Natural Short Sleeper(自然な短時間睡眠者)」と呼ばれる人たちが調べられており、特定の家系から短時間睡眠に関連する遺伝子変異も発見されています。
米国国立衛生研究所(NIH)が紹介している研究では、十分に休息できる睡眠時間が6時間半未満という家系を調べ、ADRB1という遺伝子のまれな変異が発見されています。
別の自然な短時間睡眠に関する研究でも、一般的な睡眠時間より短い睡眠で生活し、それ以上の睡眠を必要とせず活動する人たちが研究対象になっています。
つまり、必要な睡眠時間には本当に個人差があります。
ただし、ここで注意したいのが、
「普段あまり寝ていない人」と「生まれつき必要な睡眠時間が短い人」は同じとは限らない
ということです。
単に仕事や生活習慣によって睡眠時間が5時間になっているだけで、「5時間で十分な体質」と判断することはできません。
厚生労働省も睡眠時間だけではなく、睡眠によって十分に休めたと感じられる「睡眠休養感」を高めることを重視しています。
そのため、「自分もショートスリーパーかもしれない」と思ったとしても、堀さんの30分睡眠をそのまま自分の睡眠時間の基準にするものではありません。
そもそも、人間はなぜ起き続けていられる?
堀さんの「30分睡眠」を見ていると、逆にこんな疑問も出てきます。
そもそも人間の脳は、どうやって「眠る」と「起きる」を切り替えているのでしょうか。
ちょうど2026年9月、この分野の研究で日本人研究者が世界的な医学賞を受賞しました。
筑波大学の柳沢正史教授とスタンフォード大学のエマニュエル・ミニョー教授が、2026年のアルバート・ラスカー基礎医学研究賞を受賞しています。
評価されたのは、「オレキシン」という脳内の神経ペプチドの発見と、オレキシンの欠乏がナルコレプシーで起こる制御できない眠りにつながることを明らかにした研究です。
オレキシンは、簡単にいえば人間が覚醒した状態を維持するうえで重要な物質です。
睡眠というと「どうやって眠るのか」に目が向きますが、研究の世界では反対に、
「なぜ私たちは起きていられるのか」
を理解することも、睡眠の仕組みを解明する重要な手掛かりになっています。
オレキシンの研究は、現在では睡眠と覚醒の理解だけでなく、ナルコレプシーなど睡眠障害の理解にもつながっています。
もちろん、この研究によって堀さん個人の30分睡眠を説明できるわけではありません。
ただ、「なぜ必要な睡眠時間には個人差があるのか」「なぜ眠くなるのか」「なぜ起き続けられるのか」と考えていくと、睡眠は現在でも研究が続いているかなり奥深いテーマだと分かります。
堀大輔の30分睡眠は「自分の睡眠」を考えるきっかけにもなる
堀大輔さんは、1日30分という非常に短い睡眠時間を掲げて活動し、2026年9月には長時間ライブ配信によって改めて大きな注目を集めました。
30分という数字だけを見ると強烈ですが、そこから睡眠について調べてみると、少し違った景色も見えてきます。
生まれつき必要な睡眠時間が短い人は実際に研究されています。一方で、一般の成人について厚生労働省が示している目安は6時間以上です。
そして2026年には、人間の覚醒を支える「オレキシン」の研究がラスカー賞を受賞しました。
堀さんの生活をそのまま真似するという話ではなく、
「自分には本当はどのくらいの睡眠が必要なのか?」
と考えてみる。
堀大輔さんが話題になったことは、毎日当たり前のようにしている「睡眠」について改めて考えてみる、ちょっと面白い入口にもなりそうです。


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